メディグルコラム

地域医療連携に関する
お役立ち情報を発信

2020.09.24

在宅医療の現状と課題
住み慣れた地域で安心して在宅生活を送るための地域医療連携

在宅医療の現状と課題<br/>住み慣れた地域で安心して在宅生活を送るための地域医療連携


今回は近年様々な施策が取られている在宅医療の現状と、関連してリタワークスが提供している地域医療連携システム“メディグル ”についての紹介をしていきます。


【目次】

在宅医療の現状

医療機関と家族のサポートの課題

地域医療体制を構築するツール”メディグル ”

 

在宅医療の現状


「在宅医療」とは、体の機能が低下し、通院が困難な方の自宅に医師が訪問して行う医療です。2014年の厚生労働省の発表(図1)によれば、高齢者の55.4%が、「人生の最期を自宅で迎えたい」と希望するものの、実際に自宅で亡くなる人は約1割強(図2)という結果が出ています。

(図1 出典:厚生労働省

 



(図2 出典:厚生労働省

2020年現在、入院における医療費は年々膨らんでおり、国全体の歳入は毎年おおよそ102兆円ですが(図3)、2016年に医療機関に支払われた医療費は、42.6兆円(図4)となっています。そのうち、入院費が約16兆円と医療費全体の約38%を占めています。
国は入院費の削減を目指し医師や歯科医師などに向けて、在宅医療を促すような保険点数の変更を行いました。しかし、2018年時点で、在宅での看取りを行なっている診療所は4312件、病院は538件にとどまり、割合として診療所全体の4.6%、病院全体の6.9%しか占めておらず、(厚生労働省「医療施設調査」より)在宅での看取りを行うには一施設当たり年間283件を手がけねばなりません。よって、患者さんや家族が望んでも在宅死は難しいのが現状と言えます。

 
 

(図3 出典:国税庁HPより引用)

(図4 出典:税金・社会保障教育より引用)

医療機関と家族のサポートの課題


在宅医療を進めるためには、食事や着替え、移動、排泄など、自立できなくなった患者を支えるために家族が多大な労力を要しなければいけません。また家族が医療的なケアをまかなわねばならないケースもあります。特に胃瘻やストーマ(人工肛門、人工膀胱)の管理、喀痰吸引など、神経を使うケアは多く、適切にできなければ患者さんの命に関わることもあるため、自ずと家族にかかる負担が大きくなります。

そのため患者さんの中には、そのことを後ろめたく感じ「自宅で死を迎えたい」と言い出せない人もいます。
配偶者や子供世帯に迷惑をかけたくないと考え、本当は住み慣れた自宅で最期を迎えたいにもかかわらず、その思いを胸に秘めて亡くなる人が少なくないと考えます。
筆者は7年間急性期の総合病院で勤務していましたが、症状が落ち着いて在宅療養が可能であってもサポート体制が調整できず、病院で亡くなっていかれる方をたくさん看てきました。


在宅医療は、あくまでも患者さん本人の自宅が療養の場であり、それをサポートするためには、かかりつけの診療所を始め、総合病院、訪問看護ステーション、介護サービス事業所、薬局など様々な機関の連携が不可欠です。しかし、他職種間で患者の情報交換を行う機会が不足していたり、異なる機関に所属する多職種が関わるため治療ケアの方針決定プロセスが不明確である等、在宅医療ならではの課題もあります。


在宅医療推進には患者家族側と医療機関側とでそれぞれの課題を同時に解決しなければなりません。

 

地域医療体制を構築するツール”メディグル”

このような課題がある中、私たちリタワークスでは地域医療体制を構築するツールとして、地域医療連携システム“メディグル”を開発しました。このシステムでは、連携している総合病院、診療所、訪問看護ステーション、介護事業所などの医療機関情報を患者さんと病院の双方が一目で確認できるシステムとなっており、在宅医療を円滑に行えるツールと考えています。

具体的には.....


・無料施設データベース

全国の病院・クリニック・診療所の施設情報を無料で提供しています。他病院が収集した施設情報もデータベースに反映されるので、最新で正確な情報を利用することができるようになります。

・患者用検索サイト

地域の診療所・クリニック情報を知ることができるかかりつけ医検索サイトを患者さんに提供することで、自院と繋がりがある登録医や医療機関への受診を促すことができます。


・自院専用検索システム

連携先のリスト保存管理や、検索項目を独自にカスタマイズすることが可能です。自院オリジナルの検索サイトへ発展させることで、院内スタッフが効率的に最適な施設を探し出せるようになります。


・レビューで情報共有できる

日々の対応記録や評価を施設ごとに蓄積・共有することで、スタッフや部署間の情報格差を無くし、連携業務の質向上と効率化を図ることができるようになります。


少しでも多くの医療機関が在宅医療に真剣に取り組み、自宅で療養したいという高齢者の希望が実現する社会になることを祈ります。

 


地域医療体制を構築するツール”メディグル”

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