「集患したいけどどうすればいいのか」「地域の方にもっと病院の強みを伝えたい」など多くの病院様で集患活動強化のための方法にお悩みを抱えていると思います。

そこで今回はそんな集患にお困りの病院様向けに、”マーケティング・コミュニケーション”を用いた集患方法をご紹介します。既に取り組めていることや取り組めていない項目をチェックし、ぜひ集患対策のご参考にしてください。

マーケティング・コミュニケーションとは

”マーケティング・コミュニケーション”とは、市場の顧客と接触する⼀連の活動のことを言います。企業の製品やサービスの認知・購買促進が目的であり、具体的な手法として広告やPRなどがあります。

狭義としてはマーケティングでよく使用される4Pや4Cの広告(promotion)やコミュニケーション(communication)がマーケティング・コミュニケーションに該当します。しかし、近年ではこのような事業者の意図的な情報発信に基づくものだけでなく、顧客がその事業者と接するさまざまな機会(商品、医療現場・待合室、デザイン、ブランド、職員、制服など)に持つ評価や感想など、より広義にとらえることの必要性が高まっています。

今回は後者のより広義の意味と捉え、顧客を「患者」、事業者を「病院」に置き換えてお話します。

集患に対する課題

集患の課題としては大きく二つに分けられます。外来患者の減少と紹介患者の減少です。

令和元(2019)年医療施設（動態）調査・病院報告の概況によると外来患者は平成11年から大幅の減少を見せています。病院の主な収入源である外来患者の減少は、直接病院の経営を低迷させます。

 

※出典：厚生局　令和元(2019)年医療施設（動態）調査・病院報告の概況　病院報告

また、コロナウィルスの感染爆発の第一波の令和2年5月では、一日平均外来患者数が952,729人と過去最低の数値がでてしまっています。

※出典：厚生局　病院報告（令和2年5月分概数）

そして、現在では地域医療連携支援病院と認められた病院は625病院あります。地域医療連携支援病院とは1997年に発足した医療機関の機能区分の１つですが、登録には一定の条件をクリアしなければならず、その条件の中に紹介率が50％～80％と高基準で設定されており、地域医療連携支援病院は日本の患者紹介率の増減を判断する一つの指標になると考えられます。しかし、全国の病院の数は全体で約8000病院近くあります。そのため、8000病院中625病院で約8％しか全国に地域医療連携支援病院は存在せず、現状日本の病院の紹介率が高いとは言えないことがわかります。

 

※出典：厚生局　医療施設動態調査（令和３年１月末概数）

そのため、この二つの課題点への対策が必要となります。

集患に対する効果的な解決方法

3-1.PUSH戦略強化

PUSH戦略とは生産者が顧客に積極的に製品やサービスを売り出すことです。

一般的な例として、訪問営業やテレアポなど生産者が決めたタイミングで顧客に情報を伝えていくものであり、顧客はその意思に関係なく、受動的に情報を受け取ります。

3-2.PULL戦略強化

3-3.地域医療連携の強化

地域医療連携についても様々な方法があります。
地域医療連携の強化に関してはこちらのコラムに記載されていますので、ご覧ください。

今からできる地域医療連携の強化