導入事例
地域医療連携システム「メディグル」を導入された
病院様の活用事例をご紹介
2026.11.06

1937年の創立以来、大阪の地域医療を支えてきた大阪けいさつ病院。
2025年1月、旧・大阪けいさつ病院と第二大阪けいさつ病院を統合し、650床の高度急性期病院として新築移転しました。30を超える診療科を擁し、救急医療から高度専門医療までを幅広く担う、大阪市南東部の中核的な存在です。
2026年2月、メディグル営業支援を導入されました。約6か月間の伴走支援を経て、「前方連携」ひいては「マーケティング」に関する事務職の体制はどう変わったのか、お話を伺いました。
・倉谷先生
院長補佐/地域医療機関広報担当/大動脈・血管センター長
・岡嶋次長
地域医療連携センター・患者総合支援センター 副センター長/事務次長
・楠本課長
経営企画課・地域医療連携センター・患者総合支援センター 課長
・山口様
地域医療連携センター・患者総合支援センター(営業専任担当)
ーまずは医療機関への営業活動として、課題に感じていた点を教えてください。
■ 岡嶋次長
これまで当院は、外科系の診療科部長をはじめ、医師が積極的に訪問同行してくれる非常にありがたい環境にありました。
ただ、実態は「医師が行きたいクリニックを聞いて日程を調整し、御礼を兼ねて訪問する」という、行き当たりばったりのスタイルでした。
そもそも営業担当という専任のポジションが組織として存在せず、みな片手間で行っていました。先生方が「挨拶回りに行きたい」と言ってくださるので、自然と医師同行がメインになり、事務が主体で動くという発想自体がありませんでした。
事務単独訪問はほぼゼロに等しく、漫然と医師に同行して紹介をお願いするだけで満足してしまっている、それが一番の課題だと感じていました。
当然、地域のリサーチや、訪問して得た情報の蓄積は後回しになります。マーケティングチームの会議でも、新病院のPRや積極的な集患に向けて「もっと主体的にマーケティングを行い、戦略的に動く必要がある」という危機感が指摘されていました。
■ 倉谷先生
医師側にも明確な方針があるわけではなく、紹介をいただいたところにとりあえず行く、といった状態でした。一昨年に一度紹介データを確認してみたところ、訪問後ほとんど効果は出ていませんでした。有効性を考えないまま、イメージだけで動いている状態だったと思います。
「医師が挨拶回りに行くなら事務もついていきます」という発想は根強く残っており、医師という「切り札」をどこで使うのか、そこをもっと突き詰めないと次の一歩には進めません。
データを見て次にどう攻めるかを、医師が判断するのか、事務方が広く調べた上で判断するのか。その役割分担自体も整理できていませんでした。
■ 楠本課長
訪問した内容のフィードバックが少ないと感じていました。誰がどこへ行って、どんな話をしてきたのか。その記録が残る形になっていませんでした。
地域の医療機関の紹介動向についても、市場調査といえるようなものは実施できていませんでした。
ー課題を踏まえ、改めてmedigle営業支援に求めていたことは何でしょうか。導入の決め手も含め教えてください。
■ 岡嶋次長
昨年11月にオンライン予約システム「メディグル予約」を導入した縁もあり、営業支援のお話をいただきました。
私たちが営業支援に求めていたのは、単に訪問件数を増やすことではありません。
当院に圧倒的に不足していた事務単独訪問のノウハウを蓄積し、営業戦略を自分たちで立案できる体制へと脱皮すること。そこに一番の関心がありました。
決め手になったのは、営業支援の形です。
メディグルの担当者が営業専任担当者2名に伴走し、現場で一緒に汗を流しながらノウハウを伝えてくれること。
そして最終的に私たちが自走できるようになることを、明確なゴールとして掲げていただいたこと。
この2点が大きかったです。
■ 楠本課長
訪問記録がきちんとシステムに残ること、そして紹介件数などで効果を測定できることでした。
行った、良かった、で終わってしまうと、次にどう動くかの材料になりません。データとして蓄積されていく形にしたいという思いがありました。
ー実際に支援を受ける中で、特に印象に残っている取り組みや新たな気づきはありましたか?
■ 岡嶋次長
最も大きな気づきは、事務単独訪問では、開業医の先生方の本音やご意見、潜在的なお困りごとをそのまま聞き出すことができ、医師同行の場では決して見えなかったものが見えてくるということでした。
医師同行では、形式的な挨拶や専門的な話に終始しがちな部分もあります。当時は気づいていませんでしたが、振り返ってみると当たり障りのないところで終わっていたんだな、と。
ところが事務だけで伺うと、先生から「実はね」という言葉がぽろっと出てくる。
地域の紹介先の現状や、当院がどう見られているかを、本音のレベルでリサーチできるようになりました。
お願いする営業から、「地域のニーズを聞き出す営業」へ。この転換が、営業支援を受けて最も変わった点だと思います。
■ 山口様
クリニックの先生方は、医師が同行していると建前上「いつもありがとうございます」という話になりがちでした。ところが私だけで伺うと、当院への不満やできていないことを、結構厳しく言っていただけます。
そこをどう受け止めて次につなげるかが、今まさに取り組んでいるところです。

▲ 訪問先から得られた評価を全て記録し、Good/Moreにカテゴリ分類して集計する。何が評価され、何が課題なのかが件数として可視化され、優先的に取り組むべきテーマが定まる。※本図はダミーデータによるイメージです。大阪けいさつ病院様の実データではありません。
ー主に営業専任である山口様に伴走させていただきましたが、実際に営業活動を実施された上での気づきやご感想を教えてください。
■ 山口様
最初のうちは吉田さん(メディグル担当者)の訪問に同行させていただいて、開業医の先生方との話し方、どのように話を聞き出すのかを見て学びました。
同行を重ねる中で、こういった話し方をすると開業医の先生にスムーズに話していただける、といったことを少しずつ掴んでいけたと感じています。先生のお困りごとをどう引き出すか、気持ちよく話していただきながらどう自然に踏み込んでいくかを、営業支援の中で学びました。
最初はこちらが話したいことを勢いで話してしまうところがありました。場数を踏むうちに、一呼吸置いてから話せるようになってきたと思います。
■ 岡嶋次長
私も一度、山口の訪問に同行しました。
最初の頃は、しゃべり方も間の取り方も改善の余地がありました。それがある程度経験を積んでからは、明らかに変わりました。
話す前に一拍置けるようになったのは、大きな成長だと思います。
■ 倉谷先生
地域連携の営業というのは、単に紹介を取ってくる仕事ではありません。
一つの紹介が生まれるかどうかに、患者さんの人生がかかっている、誇りを持てる活動です。
山口がそこに意味を見出して、面白がって探求してくれているのが、私は一番良かったと思っています。
■ 吉田(メディグル担当者)
山口様の訪問に同行させていただいていますが、先生の本音を引き出せているなと感じる場面が多いです。他の病院さんに関する「実は逆紹介が返ってこない」といった率直な話が出てくることもあります。
営業担当者は、事前に準備してきたことを全部しゃべろうとしてしまう傾向があります。持ってきたチラシを指差しながら読み上げるような形になりがちです。
山口様とは、「その逆でいきましょう」と話しています。伝えるのは準備したうちの一つくらいのイメージで、あとは先生に気持ちよくお話しいただく。
細かいニュアンスを汲み取りながら質問を重ねていくことが、事務訪問では何より重要だと思っています。
訪問先へ向かう車の中でも、何を話すかではなく「今日は何を聞きに行くのか」を毎回すり合わせるようにしています。
ー地域の医療機関や地域全体の状況に対する理解は、導入前と比べてどのように変化しましたか?
■ 岡嶋次長
これまでは、エリア全体の状況を構造的に捉えられていませんでした。
現在は、各地域における紹介先の現状、競合病院との関係性、開業医の先生方が何に困っているのか。
そうした地域の医療ニーズの解像度が、劇的に上がったと感じています。
そして、その先の動き方も変わりました。闇雲に訪問するのではなく、エリアごとに仮説を立てた上でリサーチを行う。
そこで見えてきたものに応じて、ピンポイントで医師に同行いただく、あるいは地域の医師会と共催でセミナーを企画するなど、アプローチの方法を戦略的に吟味できるようになりました。

▲ 「紹介発生確率(つながりの生まれやすさ)」と「1施設あたりの年間平均紹介件数(深耕度合い)」の2軸でエリアを評価し、4グループに分類する。どのエリアに何の目的で行くのかを、感覚ではなくデータで決められるようになる。※本図はダミーデータによるイメージです。大阪けいさつ病院様の実データではありません。
ー院内の訪問活動に対する意識やスキル、また事務職の役割にどのような変化を感じられていますか?
■ 岡嶋次長
院内メンバーの意識は劇的に変わりました。以前の行き当たりばったりの医師同行から、事前に仮説を立て、リサーチし、効果を測定する。そうしたサイクルを意識した動きが、少しずつできるようになってきています。
そして支援を通じて確信したことがあります。
多くの病院が依然として医師同行訪問を繰り返している中で、これからの病診連携・病病連携で重要なのは事務単独訪問だということです。
地域の声を丁寧に拾い、そこに提案を返していく。この役割を担えるかどうかで差がつくと思っています。
事務職がマーケティングの主役となり、病院経営を引っ張っていく。そういう役割の変化が起きているという手応えを感じています。
■ 楠本課長
単純なお礼訪問だった頃と比べて、市場調査の視点が入ってきました。
以前は「行ってきました」で終わっていたところが、今は何を聞いてくるかを決めてから出ていきます。目的が定まっていると、現地での話す内容も変わってきたと思います。
ー営業支援を導入されて、最も大きかった変化は何でしょうか。また、活動量・訪問の質・院内の動き方など、変化を感じていることを教えてください。
■ 岡嶋次長
医師同行訪問の使いどころが変わったことです。
以前は医師が行きたい場所に事務がついていく形でしたが、今は事務が先に訪問して感触を確かめ、可能性がありそうなところに絞って部長陣に動いていただく。
限られた時間を、成果につながる場面に集中させられるようになりました。

▲ 支援の初期に定義した役割分担。事務訪問を「紹介元スクリーニング(医師訪問の一次判断)」と位置づけたことで、医師という限られたリソースを使う場面を絞り込めるようになった。
■ 岡嶋次長
活動量も大きく変わりました。訪問件数は前年同期の2倍を超え、そのうち6割が事務単独訪問です。
以前はほぼゼロだったことを考えると、まったく別の動き方になったといえます。

▲ 訪問件数は前年同期比で約2.15倍に増加。医師訪問はほぼ横ばいで、増加分のほぼ全てが新たに始めた事務単独訪問によるもの。

▲ 全訪問に占める事務訪問の割合は6%から61%へ。「医師に同行する営業」から「事務が主体となる営業」への構造転換を示す。。
■ 岡嶋次長
ただ数字以上に大きいのは、訪問が続く体制ができたことです。
誰かの余力で成り立っていた活動が、業務として回るようになったことが、一番の変化かもしれません。
■ 倉谷先生
当院はこれまで、ブランディングやマーケティングに本格的に取り組めていませんでした。この20年ほど、良く言えば「何でも診ます」というスタンスでやってきたと思っています。
近隣には歴史もネームバリューもある基幹病院があり、開業医の先生方の中では、まずそちらへという流れができていたように思います。
そこから、どうブランディングし、マーケットを獲得していくかという話になりました。「前方連携」とかっこよく呼んでいましたが、実際には作戦らしい作戦がなかった。医師が個々に動いていることを、前方連携と呼んでいた状態でした。
そのような状況で営業支援を依頼して一番良かったのは、前方連携を事務が回すという仕組みができたこと、分析をしないと攻められないという発想が、事務方に根付いてきたことです。
吉田さん(メディグル担当者)の分析力がまた見事で、メディグルCRMのデータなども使いながら、先生方の言葉の端々を一つひとつ拾い上げて分析していただきました。「ここはいくら攻めても無駄」「ここは可能性がありそう」というところまで見えてくるんです。
以前、マーケティングチームが立ち上がったときに訪問活動の回収率を見てみたら、思うような成果が出ていませんでした。訪問しても効果が続かず、そこで終わってしまっている状況でした。
それが今はデータに基づいて動けるようになりました。
これまで院内の判断は経験や感覚に頼るところが大きかったので、そこに分析を重ねて精度を高めていく。その土台ができたことが、この支援で得たものだと思います。
この分析を引継ぎ、院内で再現し、大阪の東・西・南へどうエリアを広げていくか。それがこれからの勝負だと思っています。
■ 楠本課長
事務単独での訪問量が増えただけでなく、リサーチの力も上がり、持ち帰ってくる情報の中身が変わってきています。それが紹介件数にも貢献していると感じています。
先生方にmedigle予約をご案内する機会も増えていきますので、利用促進にもつながっています。
ーmedigle営業支援と協働する中での率直な感想や、「自分たちだけではできなかった」と感じた場面があれば教えてください。
■ 岡嶋次長
率直に申し上げると、もっと延長したい、終わってしまうのが名残惜しいというのが今の正直な気持ちです。濃密で価値のある期間でした。
営業専任担当者が戦略を立案するスキルを、もう一段引き上げたいという思いもあります。
自分たちだけでは、まず事務単独で訪問するという一歩を踏み出す勇気が出なかったと思います。
開業医の先生方の本音を引き出す質問のノウハウにしても、これほど短期間で形にすることは不可能でした。
■ 楠本課長
顧客管理という考え方が院内に入ってきたことが大きいと思います。
以前は感想を出し合うような話し合いでしたが、今はマーケティングの分析や戦略について、きちんと議論ができるようになりました。
ー病診連携・紹介獲得に課題を感じている病院に、medigle営業支援を勧めるとしたら何と伝えますか?
■ 岡嶋次長
医師の熱意や同行に甘えたまま、漫然と御礼訪問を繰り返していては、これからの病診連携は勝ち抜けないと感じています。
メディグル営業支援は、単なる外注の営業代行ではありません。
病院の事務スタッフが主役となって自走するためのノウハウと戦略の考え方を、現場での伴走を通じて組織に残してくれるサービスです。
事務の役割を変えたい、病院を本気でマーケティングのできる組織に変えていきたい。
そう考えている病院には、自信を持ってお勧めします。
■ 倉谷先生
他の病院も、まだ手当たり次第に訪問しているところが多いと思います。
だからこそ、分析に基づいて攻めるところと引くところを見極められるようになれば、それだけで差がつく。
医師の紹介ルートに頼るのではなく、病院として地域をどう取りにいくかを考えたい、そう思っている病院にとっては、価値のある支援だと思います。
大阪けいさつ病院
所在地:
大阪府大阪市天王寺区烏ケ辻2丁目6−40
病床数:総数650床
大阪けいさつ病院のホームページはこちら
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