導入事例
地域医療連携システム「メディグル」を導入された
病院様の活用事例をご紹介
2025.08.05
大阪赤十字病院様は、大阪市天王寺区に位置する高度急性期病院です。「すべては患者さんの笑顔のために:all for the patients’ smile」を掲げ、高度医療・救急医療の提供体制を整備し、大阪府の医療を支える重要な拠点となっています。
今回は地域医療連携室 医療連携・入退院支援課の西尾様に、メディグル予約導入の背景から運用のポイント、今後の活用の展望まで伺いました。
・紹介予約のすべてをFAXで対応しているが、救急対応業務が入ると予約処理の対応が遅れることがあった。
・近隣病院が紹介予約をWEB化しており、自院への紹介において機会損失の可能性があった。
・仮予約の時点で枠が確保され、業務のピークシフトが可能になった。
・紹介元医療機関にて、患者さんを待たせることなく予約が可能になった。
・一部予約枠の整理が進み、ダブルブッキングが防げるようになった。
ー メディグル予約を導入された背景を教えてください。
西尾様:近隣の病院で患者紹介のWEB予約が進んでおり、開業医の先生方から「大阪赤十字病院さんでは導入しないのですか?」という声をいただいていました。そうした状況の中、病院としても患者紹介のWEB予約を導入する必要性を強く感じていました。
ー 導入前の紹介予約受付業務の課題を教えてください。
西尾様:当院では月に約1,900件の紹介予約を受けていますが、そのすべてをFAXで対応していました。 そのため、1日中FAXが送られてくる状況でした。
FAXで届いた予約情報の処理を進めるものの、緊急の転院や救急の依頼、時間外の緊急受診の調整といった優先業務が入ると、 予約処理が滞ることがありました。本来、FAX受信後20分以内に予約日時を返信することを目標にしていましたが、 件数が多い日や優先業務が重なる場合、どうしても対応が遅れ、紹介元の医療機関から問い合わせが入り、 さらに対応が遅れていくという悪循環に陥ることもありました。
WEB予約なら、仮予約の時点で枠が確保されるため、優先業務が落ち着いたタイミングで処理を進めることができ、 業務のピークシフトが可能になります。
ー紹介元医療機関側のメリットはどんなところだと思いますか?
西尾様:最大のメリットは、紹介する患者さんを待たせずに済むことです。
例えば、閉院時間間際に紹介予約を行い、病院からの返信を待つ間、クリニックを閉められないというケースもあります。あるいは、一旦患者さんに帰宅してもらい、病院からの予約日時を電話で伝え、都合が合わなければ再調整するという煩雑なやり取りが発生していました。
WEB予約を利用することで、これらの手間を大幅に削減でき、スムーズな調整が可能になりました。
ーWEB予約システムの選定ポイントはありますか?
西尾様:まず、電子カルテと連携するかどうかを検討しました。しかし、電子カルテ連携型のシステムはコストが高く、セキュリティリスクの面からも慎重に検討する必要がありました。そのため、今回は電子カルテと連携しないクラウド型のシステムを選択しました。
クラウド型を選んだ理由としては、コストを抑えられること、システムの柔軟性が高い傾向にあることが挙げられます。
ークラウド方のWEB予約の中で、メディグル予約を選ばれた理由を教えてください。
西尾様:システム自体の操作性が良く、簡単に使えるところです。マニュアルはありますが、正直見なくてもホテルのネット予約のように使用できます。またアカウントの管理・サポートを病院側で行わなくていいところもポイントです。実際に病院にクリニックから直接WEB予約の問い合わせが来ることはほとんどありません。クリニックも病院も手が取られないことが、とても有難い部分です。
あとはメディグルCRMを導入したので、システムを一本化したかったことも理由です。
実際の予約フォーム
ー メディグル予約導入のため、院内で行ったことを教えてください。
西尾様:当院では数年前からDX化の推進が進んでいたこと、また近隣病院がWEB予約を導入し始めたこともあり、比較的院内の理解は得やすい状況でした。特に近隣の病院がWEB予約を導入していることは、やはり予約が取りやすい病院に紹介されることはあると思うので、当院に導入されていないと機会損失になりかねません。
ただし、導入にあたっては各診療科の部長、20名以上の医師とスケジュールを調整して個別に説明を行い、理解を得ることに努めました。このプロセスが導入において重要なポイントだったと感じています。
ー説明ではどのような反応でしたか?
西尾様:予約が連携室を通さずに直接入ることを懸念する声があるかと考えていましたが、意外にも反対意見は少なく、概ね賛成をいただきました。DX化の必要性については、多くの先生方も共通認識を持っており、「内科・外科どちらに紹介するか微妙な患者も、まず予約が入った科で診察し、院内コンサルで適切な科に紹介する」ことにもご理解いただきました。個別にしっかりご説明したこと、さらに説明時に出てきた疑問などを調べて返答することで、不安を払拭できたと思います。
また、紹介状は従来通り事前にFAXで送付いただくため、先生方の診察までの流れとしては従来と変わらないこともアピールしました。
ー 現在診療で21科、検査で2科運用いただいていますが、予約枠を開放する診療科はどのように選定されましたか?
西尾様:基本的には診療科の先生の許可をいただいた科を開放しています。また特殊なオーダーや疾患で、先生の枠を新たに作ってから予約を入れないといけないものなどは省いています。それ以外はほとんどすべての科で予約を開放できています。
少しでも紹介の際に相違が起きないよう、予約の際の注意書きについてはしっかりヒアリングし、ご確認いただきました。
検査についても、30分毎に予約ができるようにすることについて、放射線科の先生も理解を示してくださったり、比較的院内は協力的でした。
実際の予約時の注意書き例
ー 運用前に行われた紹介元医療機関への周知について、取り組んだことと効果を教えてください。
西尾様:メディグルで作成いただいたチラシとマニュアルをセットにして、連携医療機関に郵送しました。12月から運用開始であったため、11月末頃郵送しましたが、そこでアカウント登録数が一気に増えたと思います。12月からはホームページにもWEBから予約が取れることを掲載し、今もじわじわと増え続けています。
あと連携医療機関向けの広報誌の冬号にも、小さめではあるのですがWEB予約について掲載したところ、クリニックから反応がありました。さらに春号ではチラシを同封したところ、40ヶ所以上のクリニックから問い合わせをいただいており、興味を持っていただいているクリニックが多い印象はありますね。
ー 実際に使用いただいているクリニックからの反応はいかがですか?
西尾様:WEB予約を使用いただいているクリニックからは、患者さんと希望日を確認してその場で予約を取れることや、紹介した患者さんのリストを一覧で見られることについて好評いただいています。また紹介状を後で作成することもできるので、とりあえず受付・事務の方が予約だけ取り、先生が落ち着いた時に紹介状を送っていただくことができるのもポイントです。
病院よりクリニックのほうがWEB予約が進んでいる傾向にあると思うので、使用のハードルは低いように感じています。他社のシステムだと事前に訪問してソフトをインストールしたり、IPアドレスが固定じゃないといけなかったり、クリニック側としてもハードルが高いという声を聞いていたので、インターネット環境があれば使えるのは利用促進につながっていると思います。
ーWEB予約の運用を行うにあたり、なにか工夫された点はありますか?
西尾様:テスト運用後にアンケートを取り、その結果を反映させることでよりご利用いただきやすいように整えました。テスト運用はもともと紹介数が多いクリニック数ヶ所で使用いただき、その後のアンケートで、入力項目が多いと言われた部分は、できるだけ省き任意入力にするなど改善を行いました。紹介数が多いクリニックでテスト運用を行ったため、概ね他のクリニックにも使いやすい内容になっていますし、予約件数も増えてきたと思います。またテストに協力くださったクリニック様は、しっかり意見を反映してくれることへの安心感もあり、継続して使用していただけていると思います。
ーWEB予約からの予約件数を増やすために、今後行う予定の取り組みはありますか?
西尾様:WEB予約を周知するチラシの配布は引き続き行いたいと思っています。あとは紹介予約の多いクリニックには、訪問時などにしっかり宣伝していきたいと考えています。
ー12月からメディグル予約を運用いただいて、業務で改善された部分はありますか?
西尾様:予約枠が整理できたことが一つだと思います。特に検査は今まで1日○人まで、同じ時間に連携からの予約は1件まで、などの条件があり、予約の都度、人数を数えたり空き枠を探しながら予約を取っていましたが、予約枠をすべてWEB上に作り、院内の予約状況に関わらず予約を取れるようになったため、WEB予約でない従来の予約でも、WEB予約枠が空いていれば入れて良くなり、ダブルブッキングの心配がなくなり、確認作業を大幅に省略できるようになりました。
ただ院内からの予約でも、情報の入力をしなければいけないのが少し負担でしたが、予約を消し込むための開発(※)も既に進めていただいているので、負担軽減を期待しています。
※2025年5月リリース完了
ーメディグル予約に今後期待する点を教えてください。
西尾様:より柔軟なカスタマイズが可能になるとありがたいです。例えば、現在固定されている必須入力項目を病院や診療科ごとに変更できるようになると助かります。また、当院では同じ日に同じ患者さんの予約を2つ以上入れないようにしていますが、クリニック側で入力した際にエラーが出るような自動制御機能があれば便利です。加えて、導入しているメディグルCRMとのさらなる連携も期待しています。
日ごろから活用サポートの方に要望を伝え、迅速に対応していただいているので、安心して運用を続けていけると感じています。
ーありがとうございます。さらにWEB予約利用が促進され、貴院の紹介受付業務がより効率化するよう、弊社でも引き続きサポートしてまいります!
大阪赤十字病院
所在地:
大阪市天王寺区筆ケ崎町5-30
病床数:
826床(一般784床、精神42床)
大阪赤十字病院のホームページはこちら
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地域連携のヒントを得たい方に。