導入事例
地域医療連携システム「メディグル」を導入された
病院様の活用事例をご紹介
2026.06.23

岡山旭東病院は岡山市中区に位置する、地域医療支援病院です。外来紹介・救急・入退院支援から逆紹介まで、幅広い地域連携業務を担う患者相談支援センターにて、medigleCRMをご活用いただいています。
今回は、地域連携室の細谷様・竹本様、医療福祉相談室の岡﨑様・早見様、IT推進部門の榊原様に、導入の経緯から具体的な活用方法、そして院内に生まれた変化についてお話を伺いました。
・訪問記録や連携医療機関の情報がExcel・Wordに分散し、担当者交代時の引き継ぎが困難だった。
・近隣医療機関の開院・閉院・診療時間の情報収集・更新に多大な時間がかかっていた。
・紹介件数の集計が手作業のため、タイムリーな状況把握や効果測定ができていなかった。
・お断り履歴をCRMに一本化し前後の紹介件数と紐づけて可視化。データに基づいた院内体制の見直しと受け入れ改善につながった。
・懇話会前後の紹介件数を時系列で追跡できるようになり、活動の効果測定が可能になった。
・集計業務の工数削減により訪問活動の時間が増加。紹介初診件数が増加(前年度比)した。
ーはじめに、貴院の地域連携室について教えてください。
細谷様:
当院では、患者相談支援センターの中に地域連携に関わる部門が集まっています。前方連携を担う地域連携室の事務職員が5名、入退院支援の看護師が6名、後方連携を担う医療福祉相談室の医療ソーシャルワーカーが9名で運営しています。管理者の医師を中心に、各職種が役割分担をしながら地域医療連携を進めています。
地域連携室は、開業医や病院の先生方からの紹介患者さんの受け入れ調整が主な役割です。外来・救急・入院・転送など、さまざまな形の紹介に対応しています。また、当院は地域医療支援病院ですので、患者さんのかかりつけ医をご紹介する「逆紹介」にも力を入れています。月1回の地域連携カンファレンスの開催や、地域の医療機関への挨拶廻りなども行っています。
ーmedigleCRMを導入される前、情報管理や共有においてどのような課題がありましたか?
細谷様:
一番大きかったのは、連携医療機関情報の管理が属人的になってしまっていたことです。訪問先でいただいたご意見を会議で共有しても、時間が経てば記憶が薄れてしまう。担当者が替わった際に、引き継ぎが十分にできていないという課題が常にありました。ExcelやWordで情報を保存してはいたのですが、更新が追いついていなかったり、次の担当者にちゃんと伝わっていなかったりという状況でした。
また近隣医療機関の開院・閉院・診療時間といった情報を自分たちで訪問して収集したり、医師会に確認したりと、情報の更新にとても時間がかかっていました。逆紹介で患者さんにかかりつけ医を紹介する際に、紙のリストを印刷してお渡しする運用だったので、そのあたりも何とかしたいと思っていました。
ー他のツールとも比較されたと伺っています。medigleCRMに決めた理由を教えてください。
細谷様:
ユーザー数が無制限であること、院外からも閲覧・入力ができること、コスト面での優位性、この3点が大きな決め手になりました。
榊原様:
もともと何社か比較検討していました。よく名前が挙がるような大手CRMも候補にあったのですが、医療特化ではないため自分たちで項目を作り込む必要があり、構築の手間がかかる。その点、medigleCRMは医療現場にあわせた項目が最初から整っていて、シンプルに使い始められる。忙しい現場にはそのお手軽さが合っていると感じて選びました。
ー連携懇話会後の紹介件数をCRMで追跡されているとのことですが、どのような運用フローで進めているか教えてください。
細谷様:
地域連携懇話会の開催後は、まず参加医療機関の情報をCRMに蓄積しています。その後、お礼状とアンケートを発送し、結果を集計。また懇話会の開催前後、それぞれ半年間の紹介件数の推移を確認します。その結果を委員会で報告し、効果分析と振り返りを行うという流れです。
ー実際に、データを見てどのような変化が確認できましたか?
細谷様:
懇話会に参加していただいた医療機関の中には、それまで紹介がほぼゼロだった施設からも紹介が来るようになったところがあります。基本的には多くの医療機関で増加傾向が見られていて、懇話会を通じた接触が紹介行動につながっていることが、数字でも確認できるようになりました。
以前はExcelで医療機関ごとに月別の件数を手作業で出していたので、本当に手間でした。CRMに施設情報を入れることで、紹介件数の増減を時系列でタイムリーに確認できるようになったのは、大きな変化です。
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※効果測定画面(デモ画面 簡易イメージ)
ーCRMを用いることで訪問先の選定方法も変わりましたか?
細谷様:
選び方の軸自体はそれほど変わっていないのですが、集計にかかっていた時間が短縮された分、訪問活動に充てられる時間が増えました。また新規開業の施設や紹介が減っている医療機関をCRMで確認して、テーマを決めて訪問する。新しい治療や検査が始まる際には、関連する診療科の患者さんを紹介していただけそうな医療機関をターゲットにして動くという形は、より精度が上がったと感じています。
ーお断り履歴をCRMで管理されるようになったきっかけを教えてください。
細谷様:
もともと、地域連携室では日中も開業医の先生から受診相談や入院相談、紹介・救急の受け入れ対応を行っています。その中で発生したお断り事例は以前、Wordに記録して、毎月の委員会や院長・各部長にグループウェアや口頭で報告していました。ただ、これが情報共有の作業として、時間と労力がかかっていました。
ー委員会でそのデータを使った議論をされているとのことですが、どのように運用されていますか?
細谷様:
現在はmedigleCRMのタイムリーな通知機能も活用しながら、お断り記録をCRM上に一本化しています。
院長・副院長・診療科部長をはじめとする多職種が参加する地域連携営業委員会で、CRM上に記録したお断り事例を一件ずつ画面に映しながら共有しています。「これは専門外だったから断らざるを得なかった」「いや、体制を整えれば受けられたのでは」というように、多角的に検討して建設的な議論ができるようになりました。
また、CRMの活用により、お断り事例とその前後の紹介件数の変化を紐づけて追跡できるようになったのが大きなポイントです。「このお断りがきっかけで件数が落ちている」「このケースはその後フォローできていたから影響が出ていない」という経過まで議論に乗せられるため、より改善意識が高まったと感じています。
ー実際にその議論が、院内の動きを変えた場面はありましたか?
細谷様:
はい、当院は脳卒中の患者さんを受け入れているのですが、ペースメーカーが入った脳卒中の方はお断りになりがちでした。委員会でその事例が挙がったとき、「なぜこのケースを断っているのか」という議論になり脳神経外科と脳神経内科の部長が協議の上、「最初の検査方法を変えることで一律で受け入れられる」という基準を作ってくださいました。今では、日中のペースメーカー対応の脳卒中に関しては受け入れができるようになっています。
地域連携室の情報共有が楽になっただけでなく、そのデータを使って院内の受入体制がひろがったという意味で、委員会で質向上に向けて議論できているという実感があります。
ー導入して「一番楽になった」と感じることを教えてください。
細谷様:
集計業務の工数が大幅に減ったことです。医療機関別・診療科別・医師別に紹介件数の傾向が把握できるようになり、月ごとにExcelで数字を追っていた作業がなくなりました。その分の時間を訪問活動に充てられるようになりました。
導入後、紹介件数も逆紹介件数も増えています。
紹介・逆紹介の推進は、地域医療支援病院としての役割を果たすべ く、院長をはじめとした院内全体で継続的に取り組んできた活動が 土台にあります。CRMはそうした活動を、データ分析・情報共 有・業務効率化の面から支える仕組みとして機能しています。業務効率化で生まれた時間が訪問活動に向かい、連携活動の質向上に大いに役立っていると感じています。
竹本様:
逆紹介の場面でも変わりました。以前は患者さんに渡す候補医療機関のリストを紙に印刷していたのですが、今はiPadでmedigleCRMの画面をそのまま見ていただいて、その場で選んでいただく形になっています。印刷の手間も省けましたし、最新の情報をそのままお見せできるので患者さんへの説明もしやすくなりました。
スタッフの間でも「どう使えばもっと便利になるか」を話し合うことが増えて、iPadでほぼ毎日使うツールになっています。まだ使いこなせていない部分もあるので、さらに活用の幅を広げていきたいと思っています。
岡﨑様・早見様(MSW):
私たち医療ソーシャルワーカーは転院先の医療機関を探すことが多いのですが、回復期かどうか、リハビリスタッフが充実しているか、特定の診療科が強いかなど、患者さんの状況に合わせた細かい条件で探す必要があります。
以前は各所に問い合わせて情報を集めExcel表にまとめていましたが、活用しづらさや更新の遅延がありました。現在は、検索タグを活用して施設情報を蓄積することで、スピーディーにマッチする施設が探せるようになりつつあります。まだ構築中ですが、より充実してくるととても便利になると思っています。

※検索タグ機能利用画面(デモ画面イメージ)
ー同じような課題を抱えている病院の地域連携担当者の方へ、メッセージをいただけますか?
細谷様:
正直、もっと早く導入しておけばよかったと思っています。紹介・逆紹介データの取り込みや施設登録など、運用が定着するまでには一定の時間はかかりました。ただ、データ蓄積が十分でない段階でも、検索機能はすぐに使えるので、導入した初期からメリットを実感できます。
活用支援チームの皆さんが定期的にフォローしてくださるのも、とても心強かったです。逆紹介でかかりつけ医を探す機能だけでも、使ってみればすぐにその便利さが分かると思います。まずは使ってみてほしい、というのが一番のメッセージです。
竹本様:
バラバラになっていた情報をひとつに集約するだけで、業務のやりやすさが大きく変わります。同じような課題を抱えている病院さんには、ぜひ試してみていただきたいと思います。
ー今後の展望と、medigleCRMへの期待を教えてください。
細谷様:
紹介件数の多角的な分析や、紹介から入院への移行率の把握など、データ活用をもう一段進めていきたいと考えています。情報提供についても、現在は郵送が中心ですが、将来的にはメール配信への移行も検討しています。また、現在は地域連携部門が中心になって使っていますが、今後は院内全体、医師も含めた活用を広げていきたいと思っています。
集計にかかっていた時間を、地域の先生方とのコミュニケーションに充てていく。そういうかたちで、地域医療連携の質をさらに高めていければと考えています。

岡山旭東病院
所在地:岡山県岡山市中区倉田567-1
病床数:総数214床
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